【Day4】 6月10日(日)12:30~17:30(予定)

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【大会4日目ハイライト】

 大会最終日となる第4日は、午後から競技が開始。接近中の前線の影響で、時折雨がぱらつくコンディション。気温も24℃前後にとどまる雲の多い天候のなか、11の決勝種目(男子6、女子5)が行われた。 日本勢は、11種目中9種目でメダルを勝ち取る怒涛の勢いを見せた。
 快進撃の幕を開けたのは女子400mH。吉田佳純(駿河台大)、村上夏美(早稲田大)、関本萌香(早稲田大)の3選手がリードを奪って、第4コーナーを抜けてきたが、ホームストレートでYANG Jui-Hsuan(チャイニーズタイペイ)が追い上げてくる展開に。岐阜県出身の吉田が粘りを見せ、自己ベストの58秒43で金メダルを獲得。村上が58秒92で銅メダルを獲得した。
 続いて行われた男子400mHでも、白尾悠祐(順天堂大)が50秒52で優勝。男子200mでは、前日の4×100mR優勝メンバーの塚本ジャスティン惇平(城西大城西高・東京、4走)と高木悠圭(東海大静岡翔洋高・静岡、1走)が出場し、先行するWEI Tai-sheng(チャイニーズタイペイ)、シン・ミンキュ(韓国)をホームストレートで追い上げた塚本が、21秒09(-0.2)の自己新記録でフィニッシュ。WEI(21秒05)、シン(21秒06)にはわずかに届かなかったが、銅メダルを獲得した。
 女子3000mでは、序盤から先頭に立った田中希実(ND28AC)が1000mを3分04秒、2000mを6分09秒で通過。ラスト1000mを2分55秒でカバーして、9分04秒36の大会新記録で危なげなく金メダルを獲得。和田有菜(名城大)が9分14秒13で続き、日本は、ワン・ツーフィニッシュを達成した。
 このほか、3000m付近で爆発的なスパートを見せたクマール・アジート(インド)が14分15秒24で制した男子5000mでは、クマールに突き放されながらも粘った田澤廉(青森山田高・青森)が14分17秒26で銀メダルを獲得。男子三段跳では、5回目(+0.1)、6回目(+0.3)の試技で決勝記録となった15m47を2回マークした泉谷駿介(順天堂大)が、2位に9cm差の3位で競技を終えた。
 女子七種競技は、初日を2位(2989点)で折り返した大玉華鈴(日本体育大)が、走幅跳(5m45)で3位に後退したが、やり投で44m98をマークして逆転。800mで逃げ切り、5133点で金メダルを獲得した。
また、男子走高跳では、友利響平(環太平洋大)とアンドゥ ヌフ アブドルカディル(カタール)が、2m14をクリアしたところで、一騎打ちとなったが、友利が自己新記録でもあった2m16を3回目にクリアし、チャンピオンの座を手にした。
 男女最終種目となったのは4×400mR。女子が先に行われ、日本は、800m2位の塩見綾乃(立命館大)を1走に、2・3走に400mHメダリストコンビの吉田(優勝)・村上(3位)を挟んで、アンカーに800m覇者で400mでも53秒50の自己記録を持つ川田朱夏(東大阪大)を据えるオーダーで挑んだ。1走の塩見で大きくリードを奪った日本は、その後も後続を寄せつけることなく、各走者ともに独走状態を保ったまま3分38秒20でフィニッシュ。1997年に中国が記録した3分39秒24を上回る大会新記録をマークして優勝に花を添えるとともに、日本チームに14個目の金メダルをもたらした。
 最終種目の男子4×400mRには、日本は、森周志(北海道栄高・北海道、400m3位)、白尾悠祐(順天堂大、400mH優勝)、鳥居風樹(中京大中京高・愛知、800m3位)、松尾脩平(筑波大、400m6位)の走順で臨んだが、400m1位・2位を擁するスリランカが圧倒的な強さを見せ、3分08秒70で圧勝。
 日本は、タイ(3分09秒20)、マレーシア(3分09秒60)に次ぎ、4位・3分10秒01でのフィニッシュとなった。
日本は最終日だけで、9種目で金メダル6、銀メダル2、銅メダル3を獲得。これによりトータルでのメダル獲得は、過去最高となる金メダル14、銀メダル15、銅メダル13、総数42となり、そのすべてで2位の中国(金11、銀8、銅4、総数23)を上回り、1位の成績を収めた。





【大会4日目コメント】

◆女子4×400mR 1位:3分38秒20 =大会新記録 日本(塩見綾乃、吉田佳純、村上夏美、川田朱夏)選手コメント



・1走:塩見綾乃(立命館大)
1走を任されたので、2~4走の方にどれだけ楽に走ってもらえるかを目標として走った。海外の選手に負けずに、前半から突っ込んだ走りができたので、2走以降にいいつなぎ方ができたかなと思う。
・2走:吉田佳純(駿河台大)
マイル(4×400mR)は、関東インカレのときに一度走ったことがあるが、そのときは前半突っ込みすぎて最後にタレてしまったという点があったので、今回はそこを修正した。
前半を楽にスピードに乗せながら走って、ラストの直線で、自分の持ち味である粘り強さで、スピードをもう一度上げ、バトンを渡すことができたのでよかった。地元の岐阜で、(400mHと)2つの金メダルを獲得でき、とても嬉しい。
・3走:村上夏美(早稲田大)
3走として初めて走らせていただいたが、前の2人がトップでバトンを持ってきてくれたので、自分もその流れにうまく乗ることができた。前半、リラックスして走ることができ、そのなかで課題としている後半のスピードを上げるところがうまくできたのでよかったと思う。
・4走:川田朱夏(東大阪大)
前の3人がすごく差を広げて回ってきてくれたので、力むことなく、前半からリラックスして走ることができ、後半でもう一度スピードを上げることができたのでよかった。自分の走りについては、まだラップ(タイム)がわからない状態。でも、悪かったところは特になかったので、それがタイムに出ていたらいいなと思う。



◆男子走高跳 1位:2m16 友利響平選手(環太平洋大)コメント



 国際大会の代表に選んでいただき出場したのは初めてだが、そこでしっかり「ジャパン」に貢献できたのと、こういう場所で自己ベストを出せたことがとても嬉しい。また、試合のときは「チームジャパン」として同じ跳躍のメンバーが応援してくれた。そういった声援のおかげで跳べたのかなとも思う。今日クリアした2m16は、U20世界選手権の標準記録でもある。もし、代表に選考してもらえたら、そこで活躍できるようになっていきたい。
今日の試合でポイントとなったのは、2m14の跳躍。自分の中で「行ける」という確信があって、その気持ちのままに跳ぶことができた。(カタールの選手と優勝争いとなった)2m16は、とても楽しかった。同記録の試技内容で勝つのではなく、記録で上回って勝ちたかったので、2m16を跳ぶことができてよかったと思う。



◆男子三段跳 3位:15m47(+0.1)泉谷駿介選手(順天堂大)コメント



 3位でメダルを獲得したが、1位ではないので、悔しい気持ちのほうが大きい。また、この大会は、勝つこと以上に16m台を跳ぶことを目標にしていた。自分は三段跳がメイン種目だと思っていて、自分の大学では16mを跳んでも(選手に選ばれて)試合に出られるかどうかわからない状態なので、少しでも早く16mの先を跳んで試合に出られるようにしたいと思っていた。 今日も1本目から、距離を跳んでいこうと思っていたが、その1本目はステップではまりすぎてバランスを崩してしまい、そこからは、いろいろ考えすぎてしまった。(決勝記録となった15m47をマークした)5回目は、踏切板を踏んでいない。板を踏んでいたら、もっと記録は出ていたはず。安定して15m50近いところを跳べていて、一発がはまればいけはずだが、その全部で、どこかがもったいない跳躍が続いてしまった。


◆女子七種競技 1位:5133点 大玉華鈴選手(日本体育大)コメント



 記録も狙っていたけれど、今は優勝できたことを素直に嬉しく思っている。本当は、1日目でトップに立って、種目を重ねるごとに点差を広げていきたいと思っていたが、関東インカレ後から改善ができていない部分があったので、1日目はちょっと悔しい形で終わってしまった。しかし、2日目は走幅跳(5m45)がまずまずで、ここで順位を上げて、やり投(44m98)で点差をつけることができた。ここで差を広げられたことで、800mを落ち着いて走ることができた。トータルして振り返ると、あきらめずに1種目1種目あきらめずにできたのでよかったと思う。それぞれの種目で自己ベストが出ていないので、どの種目にも改善点はあるけれど、追い込まれた部分でやりを44m98が投げられたことは、とても自信につながった。



◆男子5000m 2位:1位14分17秒26 田澤廉選手(青森山田高)コメント



 今日は順位を狙っていたので、監督からは「3000mのあとに仕掛けるなりしろ」と言われていた。3000mで1人出てきたので、それについていこうとしたら、(優勝した)インドの選手が急に出てきた。ついていったもののスピード力が違っていて、追いつかなかった。自分が仕掛けるより前に仕掛けられてしまい、それに対応できなかったという心残りがある。次はそういう切り替え部分を強化していきたい。
 銀メダルを獲得しても、金メダルを狙っていたので、非常に悔しい。ランキングトップだったので、「やってしまったな」という思いがある。
 調子は悪いほうではないと思っている。この大会が終わったら、すぐにインターハイの東北大会があるので、それに向けて切り替えていきたい。



◆女子3000m 1位:1位9分04秒36 =大会新記録 田中希実選手(ND28AC)、2位:9分14秒13 和田有菜選手(名城大)コメント



田中希実(ND28AC)
 大会新記録ではあるけれど、ラストを上げるというテーマで臨んでいたのに、イーブンで回ってしまった。ペースを上げたつもりでも上がっておらず、優勝が確実になってきたなと心のどこかで思い始めたときに、妥協が出てしまった。その点を反省している。
 3分前後をイメージしていた最初の1000mの入りが、思っていたよりも2~3秒遅く(通過は3分04秒)、そのままのリズムで2000m、3000mと回っていってしまった。1000m、2000mを3分で回して、ラストさらに上げて2分50秒に近づけるというプランの通りに全然できなかった。ラスト1000mで一段階切り替えて、ラスト1周でもう一段階切り替えることをやったのだが、その瞬間はペースが上がったことが自分でもわかるのだが、ちょっとずつ失速していく感覚があって、でも、それをもう一回上げることができなくて…という感じ。また、スパートがそんなに追い込み切れなかったなと思う。

和田有菜(名城大)
 ゴールデンゲームズ後くらいから風邪や体調不良など、万全でない状態が続いた影響もあって、ここにしっかりピークを合わせられなくて、不安要素を抱えたまま臨んでしまった。そこは競技者として、とても反省している。でも、今、持っている力は出しきれた。そのうえでの結果ということで、この結果を素直に受け止めて、悔しさをバネにやっていきたい。
 今日は、全部、(田中)希実ちゃんに先頭を任せるのではなく、調子が悪いながらも自分も一回(先頭に)出てみようという気持ちと、途中からは希実ちゃんが絶対行くだろうと思っていたので、そこでどれだけ粘れるかということを大事にしていた。やはり残り1000mからは(田中の)動きが違っていて、そこで離されてしまったところが今の(田中との)差。ラスト1000mからが勝負なのに、今日は勝負にも加われなかった。
 体調はまだ万全ではないが、今がどん底だと思う。これから1つ1つの大会で調子を上げていきたい。



◆男子200m 3位:21秒09(-0.2) 塚本ジャスティン惇平選手(城西大城西高、ダイヤモンドアスリート)コメント



 昨日(200m予選、4×100mR決勝)、脚に不安があったが、ひと晩寝てだいぶよくなった。動きを修正すれば走れると思ったので、脚のことは考えず、(ウォーミング)アップのときから動きをつくり直してレースに臨んだ。前半でスピードに乗りきれず、もったいないレースになったとは思うが、最後まで走りきれたということで、一つの経験として結果を受け止め、今後につなげていきたい。
 隣のレーンの選手との差が、後半に入ってから縮まり始めたが、抜こうというよりは自分の走りに集中していた。「自分の力を出しきって抜ければよし、抜けなかったら残念」という感じ。抜こうと頑張った感じは自分ではない。昨日(の予選)、自分の得意な後半の部分であるラストの直線で、自分の身体からあおってしまい、がたがたする走りになっていたので、今日は、コーナーを出てからもう一回動きを切り替えて、しっかり足を回すことを意識した。そこができたので、いい経験になった。
 200mは、去年一度21秒36で走ってから、まともに走るのは今回が2回目。これから経験を積んでいくという状態。難しいことは考えずに走ったが、前半行けなかったことも今後のレースに生かせる。いい経験になったと思う。



◆女子400mH 1位:58秒43 吉田佳純選手(駿河台大)、3位:58秒92 村上夏美選手(早稲田大)コメント



吉田佳純選手(駿河台大)
(岐阜県出身で)地元で国際大会があるということで、ここで金メダルを取ることを目標にしていた。高校(県岐阜商高)の顧問の先生や、400mHを初めたころからずっとハードルを教えてくださっている先生、駿河台大学の先生方が全員来てくださっていたので、その先生方に金メダルをかけてあげることを目標に頑張ってきていた。それがかなって嬉しい。
 自分は前半が持ち味なので、前半を飛ばしてそこで稼ごう(リードを奪おう)と思っていた。8~9台目で並ばれるのはわかっていたけれど、自分の持ち味である最初の部分と最後の100mの粘りをしっかり発揮できれば勝てると思っていた。それをちゃんと実行できてよかった。今季は、2月にケガをしていたが、シーズンに入って試合を重ねるごとに少しずつタイムが伸びてきている。今日は走ってみて、もっとタイムは縮められると確信できた。

村上夏美選手(早稲田大)
 最後の40mで抜かれてしまった。また、(優勝した)吉田さんに追いつくことができなかったことが悔しい。
 今日は、前半はスムーズに行くことができた。今回の課題は、2週前の関東インカレでうまく行かなかった6~7台目のところを意識していた。そこはうまくいったけれど、後半でスピードが上がらなかったので、その点が今後の課題となる。次は日本選手権。決勝に残れるよう頑張りたい。



◆男子400mH 1位:50秒52 白尾悠祐選手(順天堂大)コメント




 2週前の関東インカレでは体調を崩して準決勝落ち。調子の悪かった試合の次がアジアジュニアだったので、不安が多く残るなかでの試合だった。しかし、昨日(の予選を)走ってみて、けっこう感じよく走れたので、自信をつけて決勝に臨むことができた。タイムも50秒半ばということで、調子が戻ってきているのかなと思う。
 今年、大学に入ってから1番(をとること)がなく、高校生のとき以来の優勝だった。勝って、とても嬉しく思っている。 今回は、勝ちにこだわるレースをした。いつも前半を思い切りいくのだが、今回は後半で失速するのが怖かったので、前半を抑えて後半で勝負を仕かけるレース展開にした。それがうまくいき、勝つことができたのでよかった。



大会概要

大会名称
第18回アジアジュニア陸上競技選手権大会
期間
平成30年(2018年)6月7日(木)〜10日(日)
場所
岐阜メモリアルセンター長良川競技場(岐阜県岐阜市長良福光大野 2675-28)
主催
アジア陸上競技連盟
主管
日本陸上競技連盟
共同主管
岐阜県
運営協力
岐阜陸上競技協会
後援
岐阜県教育委員会、公益財団法人岐阜県体育協会
特別協賛
西濃運輸株式会社、公益財団法人田口福寿会
協賛
株式会社十六銀行、岐阜県JAグループ、株式会社セレスポ、東武トップツアーズ株式会社、株式会社大垣共立銀行、佐藤食品工業株式会社
協力
アシックスジャパン株式会社、大塚製薬株式会社、株式会社ニシ・スポーツ、朝日大学
種目(Events)
・男子(22種目)

100m、200m、400m、800m、1500m、5000m、10000m、110mH、400mH、3000m障害物、10000m競歩、4×100mR、4×400mR、 走高跳、棒高跳、走幅跳、三段跳、 砲丸投、円盤投、ハンマー投、やり投、十種競技

・女子(22種目)

100m、200m、400m、800m、1500m、3000m、5000m、100mH、400mH、3000m 障害物、10000m 競歩、4×100mR、4×400mR、 走高跳、棒高跳、走幅跳、三段跳、 砲丸投、円盤投、ハンマー投、やり投、七種競技

参加規模
アジア陸上競技連盟登録の45カ国から予選を経て選ばれた選手・監督・ コーチ約1,000人

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