2017.08.09(水)その他

世界選手権、記録&データからみた展望&楽しみ方/男女競歩編

<日本代表>
男子20km競歩 髙橋英輝、松永大介、藤澤勇
8月13日(日)14時20分(日本時間22時20分)
男子50km競歩 小林快、荒井広宙、丸尾知司
8月13日(日)7時45分(日本時間15時45分)
女子20km競歩 岡田久美子
8月13日(日)12時20分(日本時間20時20分)
8月4日から13日までの10日間、ロンドンを舞台に16回目となる世界選手権が行われる。
ここでは、過去の記録やデータをもとにその見どころや楽しみ方を紹介する。



マラソンと同じく、男女競歩の全種目が同じ日(8月13日=最終日)に行われるのは史上初のこと。

なお、大会開幕2週間前に女子50㎞競歩が「正式種目」として急遽追加されたが、果たして何人が出場するのかも興味深い(日本選手は不出場)。参加標準記録の「4時間30分00秒」をクリアしているのは僅か5人である。

50㎞が、男女同時に13日7時45分(日本時間15時45分)にスタート。20㎞は、女子が12時20分(同20時20分)、男子が14時20分(同22時20分)にスタートする。

「五輪」を含めたこれまでの日本選手の入賞者は、下記の通りだ。

<男子20㎞競歩>
2001年    7位 柳澤  哲(綜合警備保障)
2011年    6位 鈴木 雄介(富士通)
2013年    6位 西塔 拓己(東洋大)
2016年 五輪 7位 松永 大介(東洋大)

<男子50㎞競歩>
1991年    7位 今村 文男(富士通)
1997年    6位 今村 文男(富士通)
2005年    8位 山崎 勇喜(順 大)
2008年 五輪 7位 山崎 勇喜(長谷川体育施設)
2011年    5位 森岡紘一朗(富士通)
 〃     8位 谷井 孝行(自衛隊体育学校)
2012年 五輪 7位 森岡紘一朗(富士通)
2015年    3位 谷井 孝行(自衛隊体育学校)
 〃     4位 荒井 広宙(自衛隊体育学校)
2016年 五輪 3位 荒井 広宙(自衛隊体育学校)

<女子20㎞競歩>
2009年 6位 渕瀬真寿美(大塚製薬)

このデータを見れば、21世紀になってから、特にこの10年あまりの躍進ぶりがよくわかる。男子の両種目は、五輪を含めてこのところはフルエントリーが続いている。



日本選手が好成績を残し始めた2011年からの世界選手権至近3大会と五輪2大会の「優勝・3位・8位の記録」は以下の通り。

<男子20㎞競歩>
 年    優勝記録 3位記録 8位記録
2011年   1.19.56. 1.20.38. 1.21.50.
2012年五輪 1.18.46. 1.19.25. 1.20.12.
2013年   1.20.58. 1.21.21. 1.22.21.
2015年   1.19.14. 1.19.57. 1.21.37.
2016年五輪 1.19.14. 1.19.37. 1.20.27.

<男子50㎞競歩>
 年    優勝記録 3位記録 8位記録
2011年   3.41.24. 3.43.36. 3.47.19.
2012年五輪 3.35.59. 3.37.16. 3.41.24.
2013年   3.37.56. 3.40.03. 3.43.38.
2015年   3.40.32. 3.42.55. 3.46.00.
2016年五輪 3.40.58. 3.41.24. 3.46.43.

<女子20㎞競歩>
 年    優勝記録 3位記録 8位記録
2011年   1.29.42. 1.30.44. 1.31.40.
2012年五輪 1.25.02. 1.25.16. 1.27.56.
2013年   1.27.08. 1.28.10. 1.29.17.
2015年   1.27.45. 1.28.13. 1.30.32.
2016年五輪 1.28.35. 1.28.42. 1.30.24.



スタート時の「気温・湿度」「先頭の5㎞毎(50㎞は10㎞毎)のスプリット」、「前半と後半」のデータも調べてみた。気象状況やペースの変化などから、「メダル」を狙うための「作戦」の参考にもなりそうだ。

なお、スプリットは各地点を先頭で通過した選手のタイムから算出したもので、優勝者のスプリットとは限らない。五輪の20㎞競歩については5㎞・15㎞のタイムが不明のため、5㎞は4㎞&6㎞、15㎞は14㎞&16㎞の通過タイムから推定した。「前後半差」の「△」は、後半の方が速かったことを示す。

<男子20㎞競歩>
 年  スタート時 ~5km ~10㎞ ~15㎞ ~20㎞(前 半+後 半/前後半差)
11年 22℃・85% 21.03. 20.55. 19.44. 19.14.(41.58.+38.58./△3.00.)
12年 ?℃・?% 20.00. 20.08. 19.38. 18.57.(40.00.+38.46./△1.14.)
13年 29℃・40% 20.17. 20.17. 20.07. 20.16.(40.34.+40.23./△0.11.)
15年 23℃・78% 20.10. 20.10. 19.33. 19.21.(40.20.+38.54./△1.26.)
16年 25℃・?% 20.14. 19.56. 19.56. 19.08.(40.10.+39.04./△1.06.)

<男子50㎞競歩>
 年  スタート時 ~10km ~20㎞ ~30㎞ ~40㎞ ~50㎞(前 半+後 半/前後半差)
11年 23℃・73% 44.31. 43.32. 43.30. 44.21. 45.40.(1.49.35.+1.51.49./▼2.24.)
12年 ?℃・?% 44.15. 43.29. 43.05. 43.04. 43.00.(1.49.21.+1.47.32./△1.51.)
13年 17℃・94% 44.26. 44.10. 43.41. 42.47. 42.42.(1.50.34.+1.47.22./△3.12.)
15年 22℃・78% 45.18. 44.02. 43.50. 43.47. 43.31.(1.51.13.+1.49.19./△1.54.)
16年 22℃・?% 44.28. 43.23. 43.48. 45.25. 44.02.(1.49.41.+1.51.17./▼1.36.)

<女子20㎞競歩>
 年  スタート時 ~5km ~10㎞ ~15㎞ ~20㎞(前 半+後 半/前後半差)
11年 22℃・88% 23.29. 22.47. 21.47. 21.39.(46.16.+43.26./△2.50.)
12年 ?℃・?% 21.18. 21.15. 21.21. 21.08.(42.33.+42.29./△0.04.)
13年 22℃・57% 23.17. 22.03. 21.13. 20.15.(45.20.+41.28./△3.52.)
15年 25℃・65% 22.24. 22.55. 22.05. 21.21.(45.19.+43.26./△1.53.)
16年 ?℃・?% 22.58. 22.26. 21.58. 21.13.(45.24.+43.11./△2.13.)

以上の通り、20㎞競歩は男女とも次第にペースが上がっていく「ビルドアップ」がほとんど。特にラスト5㎞のアップが顕著で、男子は19分ちょっと、女子も21分ちょっとでカバーしている。もっと細かくみると、18㎞からの残り2㎞は、男子が7分30秒前後、女子も8分10秒~20秒あたりのことが多い。

つまり、前半は「様子見」で、10㎞過ぎから振るい落としのサバイバルが始まり、15㎞まで生き残った選手でメダルを目指しての「用意、ドン」である。

男子50㎞競歩は、5大会中3回が後半の方が速い。前半の方が速かった2大会は、2011年はレース後半に気温が27℃に、16年のリオ五輪も28℃まで上昇したのが影響したものと考えられる。

いずれにしても、日本人選手には「サバイバルレース」に生き残り、過去最高を上回る好成績を残してもらいたい。


※記録情報は2017年7月31日判明分
※数か月後や数年後に入賞者のドーピング違反が発覚し失格となって順位が繰り上がったケースもあるが、ここでは基本的に当初発表された記録を掲載した

野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)

写真提供:フォート・キシモト

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