2017.10.24(火)大会

【レポート】U20・U18日本選手権。台風接近での悪天候の中、16の大会記録が誕生!



 U20・U18日本選手権が10月20~22日の3日間、愛知県名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムにおいて開催されました。
 この大会は、昨年まで「日本ジュニア・ユース選手権」の名称で親しまれてきましたが、国際陸連が主催する競技会名に準じる形で、今年度から大会名を変更しての開催となりました。第33回となるU20日本選手権は男女28種目で、第11回となるU18日本選手権はリレーを含む男女30種目で、それぞれ決勝が行われる予定でしたが、台風21号の接近に伴う対応で、3日目の競技日程を短縮することに。最終的に、10月22日のトラック種目は予選をすべてタイムレース決勝に変更(U18男女4×100mRは10月21日に行われる予選をタイムレース決勝に変更して実施)、フィールド種目は午前に開始する競技のみを実施し、午後に予定されていた5種目(U18男子ハンマー投、U18女子砲丸投、U18男子走高跳、U20男子走幅跳、U20男子ハンマー投)を中止とする形で行われました。
 台風接近の影響で、初日は雨が降ったりやんだりの状態が続き、2日目以降は断続的に雨が降る悪天候のなかでの実施となりましたが、10種目でタイ(1つ)を含めて16の大会記録が誕生。各種目で熱戦が繰り広げました。
 大会MVPにあたるJOCジュニアオリンピックカップ受賞者には、男子はU20男子100mを10秒28(+1.0)の大会新記録で制した宮本大輔選手(洛南高・京都)が、女子はU20女子100mHで13秒52(+0.7)の大会新記録をマークして優勝した吉田唯莉選手(小松商高・石川)が、それぞれ選出され、受賞しました。

◎10月20日/1日目
 今大会最初の決勝種目となったU20女子やり投では、ダイヤモンドアスリートの長麻尋選手(和歌山北高・和歌山)が2回目(51m59)の試技で首位に立つと、優勝が決まったあとの最終投てきで53m81まで記録を伸ばして優勝を果たしました。昨年、高校2年でインターハイを制している長選手ですが、今季はケガの影響などもあり、インターハイ2位、国体3位という結果にとどまっていました。この大会が高校最後の全国大会。昨年のユース(U18)女子やり投に続く、嬉しい連覇となりました。
 U18女子走幅跳では、高校2年生ながら日本選手権、インターハイを制し、国体では高校歴代7位タイ・高2歴代2位となる6m26(+1.0)の好記録で優勝している高良彩花選手(園田高・兵庫)が、6m14(+0.3)の大会新記録で今季4つめの全国タイトルを獲得しました。
 U18女子400mでは、全国高校選抜300m覇者の松尾季奈選手(須磨東高・兵庫)が54秒09の大会新記録で優勝しました。なお、この種目では、神奈川・相洋高の選手が3名決勝進出を果たしており、1年生の髙島咲季選手(相洋高・神奈川)が高1最高となる54秒90で2位、姉の髙島菜都美選手が5位(55秒65)、合田陽菜選手が6位(56秒71)という結果を収めています。また、U18男子400mは、インターハイチャンピオンの森周志選手(北海道栄高・北海道)が自身初の46秒台となる46秒95をマークして、今季2つめのタイトルを獲得しました。
 U20女子400mでは、川田朱夏選手(東大阪大敬愛高・大阪)が54秒35で制して、この種目でインターハイ国体との“高校3冠”を達成。なお、川田選手は、2日目に行われたU20女子800mにも勝ち(2分05秒88)、この大会2年連続2冠(昨年はユース400mと800mで優勝)獲得も果たしています。
 U18女子棒高跳は、前回1年生でこの種目を勝っている山地里奈選手(観音寺一高・香川)が、3m85の大会新記録で連覇を果たしました。山地選手は、バーを4m03に上げ、自身が今季樹立したU18日本記録(4m02)の更新に挑戦しましたが、これはクリアならず。しかし、インターハイ、国体に続き、3つめのタイトルを獲得しました。
 2週間前に行われた愛媛国体少年男子共通110mHと同様に、ジュニア規格(ハードルの高さ0.991m、ハードル間9.14m)で実施されたU20男子110mHでは、その愛媛国体で活躍した選手たちが再び好走し、注目を集めました。まず、予選で平賀健太郎選手(洛南高・京都、国体2位)と森戸信陽選手(市立船橋高・千葉、国体5位)がともに13秒64の大会新記録をマーク。準決勝では、前回のユース(U18)男子110mH覇者で、愛媛国体で13秒40の高校最高記録(U20歴代3位)を樹立して優勝している樋口陸人選手(奈良育英高・奈良)が13秒52(+0.1)を、森戸選手が13秒58(-0.6)をそれぞれマークし、大会記録を13秒5台へと引き上げます。追い風0.5mの条件で行われた決勝は、樋口選手が自己記録に並ぶ13秒40で快勝。2位で続いた平賀健太郎選手も13秒47の大会新記録をマークして国体で出した自己記録13秒48(高校歴代2位、U20歴代4位)を更新したほか、3位の森戸選手も13秒54でフィニッシュし、準決勝でマークした自己記録を更新しました。
 続いて行われたU18女子100mH(ハードルの高さ0.762m、ハードル間8.50mのユース規格で実施)では、茨木凜選手(九里学園高・山形)が、2位に0.2秒の差をつけて圧勝し、高校歴代2位となる13秒44(+0.4)をマーク。さらに、一般規格(ハードルの高さ0.838m、インターバル間8.50m)で行われたU20女子100mHは、前回のユース(U18)女子100mHをU18日本記録・高校最高記録の13秒39で優勝している吉田唯莉選手(小松商業高・石川)が、高校歴代7位・今季高校最高となる13秒52(+0.7)で制し、インターハイとの2冠を達成しました。なお、2位には高校1年生ながらU20に出場した山西桃子選手(白梅学園高・東京、愛媛国体少年女子B100mH優勝者)が続き、高1歴代4位となる13秒78の好記録をマークしています。

◎10月21日/2日目
 U20女子走高跳は、インターハイチャンピオンの高橋渚選手(東京高・東京)が1m73で優勝を決めたあと、雨のなか、インターハイでマークした自己記録1m77に続く1m76のセカンドベストを1回でクリア。自己新記録となる1m80のクリアはなりませんでしたが、2回目の全国制覇を果たしました。
 U18女子三段跳を制したのは、河添千秋選手(松山北高・愛媛)。3回目に12m37(+0.1)を跳んでトップに立つと、4回目の試技で高2歴代4位となる12m62(+0.2、大会新)をマーク。悪天候のなか自己記録を10cm更新しての優勝となりました。
 U20女子100mは、100m11秒57(高校歴代3位)・200m23秒45(U20日本記録・高校記録)のパーソナルベストを持ち、高校2年の昨年、ビッグタイトルを総なめにしてきた齋藤愛美選手(倉敷中央高・岡山)が11秒70(+0.3)で今季全国初優勝を果たしました。今年は故障などの影響で思うような結果が出せず、苦しいシーズンを送ってきた齋藤選手ですが、愛媛国体の少年女子A100mでは兒玉芽生選手(大分雄城台高・大分)に次ぎ2位に食い込むなど復調傾向にありました。今大会では、予選から兒玉選手と同じ組という番組編成でしたが、予選(11秒77、+1.0)からトップを譲らず、完全復帰を印象づけました。
 一方、兒玉選手は11秒77で2位に。インターハイ、国体に続く3つめのタイトル獲得はなりませんでしたが、悪天候にもかかわらず、国体準決勝で出した自己記録11秒76に100分の1秒まで迫るセカンドベストをマークする安定感を見せました。最終日にタイムレース決勝で行われたU20女子200mでも24秒47(+1.8)で2位の成績を残しています。
 U20男子100mは、高校生の宮本大輔選手(洛南高・京都)が快勝しました。予選で10秒33(+0.7)の大会タイ記録をマークすると、追い風1.0mのなか行われた決勝では10秒28の大会新記録でフィニッシュ。6月の近畿高校で出した自己記録10秒23の更新はならなかったものの2年連続で“高校3冠”を達成。高校1年時の2015年国体(少年B)、日本ユース(現U18)も含めると、8つの全国タイトルを獲得したことになります。
 当初、最終日に決勝を行う予定だったU18男女4×100mRは、台風接近に伴う対策により、2日目に組まれた予選をタイムレース決勝に変更して実施することになりました。6組で行われた男子は、40秒84で3組1着の東海大浦安高(千葉、走順:村瀬大介・天岳直樹・加地勇樹・秀島来)が優勝。女子は、3組で46秒15の大会新記録をマークしてトップでフィニッシュした山形中央高(山形、走順:酒井栞菜・青野朱李・青野心音・阪希望)の優勝となりました。

◎10月22日/3日目
 大会最終日は、台風21号接近に伴い、大会2日目の段階で、暴風警報の発令がないことを条件に、トラック種目はすべて予選をタイムレース決勝とし、フィールド種目は午前に開始するものだけを実施する短縮日程に変更されました。
 風雨が次第に強まっていくなか、午前9時15分から競技が開始されたU18女子円盤投を制したのは、U18日本記録保持者(49m65、2016年)の齋藤真希選手(鶴岡工高・山形)。3回目に47m76の大会新記録を樹立して、地元インターハイ、国体との“高校3冠”を達成。悪天候のなか、後半の試技でも47m台を2回マークする安定感が目を引きました。
 U18男子砲丸投では、前日に行われたU18男子円盤投を48m11で制している山下航生選手(市立岐阜商高・岐阜)が16m58で2冠を獲得しました。砲丸投は前回に続く2連覇でもあります。なお、2位にはチームメイトの稻福颯選手が16m56で続き、同校によるワン・ツーも達成しました。
 4組タイムレース決勝となったU18女子200mは、インターハイで地元優勝を果たした青野朱季選手(山形中央高・山形)が24秒13(+2.0)で2組1着となり、全体2位の田路遥香選手(中大附高・東京)の24秒88(+2.0)以下を大きく突き放してV。前日のU18女子4×100mRとあわせて2冠となりました。
 U20男子200mは、5組タイムレース決勝で実施され、前回のU18男子200mを制している井本佳伸選手(洛南高・京都)が2組(+0.4)で21秒09をマークして優勝。愛媛国体少年A400m(46秒38)に続き、今季2つ目の全国タイトルを獲得しました。インターハイでは、大会中に左ハムストリングスを痛めて100mは準決勝以降を棄権、4×100mRメンバーからも外れるとともに、優勝候補の一角と目されていた得意種目の200mも棄権せざるを得ませんでした。悪条件下でのレースとなったこともあり、目標としていた自己記録(20秒84、2016年)の更新はなりませんでしたが、高校最後の全国大会となるこの大会を制し、インターハイでの無念を晴らしました。

文:児玉育美/JAAFメディアチーム

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