2018.01.27(土)選手

【ダイヤモンドアスリート】第2回リーダーシッププログラムレポート Vol.1

2020年東京オリンピックでの活躍が大いに期待できる次世代の競技者「ダイヤモンドアスリート」を対象に実施される「リーダーシッププログラム」の第2回が1月11日、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて行われ、2017-2018ダイヤモンドアスリートの橋岡優輝選手(日本大)、江島雅紀選手(日本大)、池川博史選手(筑波大)、長麻尋選手(和歌山北高)、宮本大輔選手(洛南高)、塚本ジャスティン惇平選手(城西大城西高)、井本佳伸選手(洛南高)、中村健太郎選手(清風南海高)、藤井菜々子選手(北九州市立高)に加えて、ダイヤモンドアスリート修了生である岩本武選手(順天堂大)、平松祐司選手(筑波大)、佐久間滉大選手(法政大)、山下潤選手(筑波大)、北口榛花選手(日本大)が出席。さらにアスリート委員会から戸邉直人選手(つくばツインピークス)、北村夢選手(日本体育大)が参加しました。

 リーダーシッププログラムは、東京マラソン財団スポーツレガシー事業として、ダイヤモンドアスリートが、競技力とともに人間性も高め、グローバルなスタンスでリーダーシップを発揮する人材に育つことを期して行われているもので、同事業運営委員の為末大さん(男子400mH日本記録保持者、2001年・2005年世界選手権銅メダリスト)が監修しています。

 第2回で用意されたのは、「時間」を認知心理学の観点から研究する一川誠さん(千葉大学大学院人文科学研究院教授/山口大学時間学研究所)による講義「心的時間の特性」と、狂言師の十世三宅藤九郎さんによるワークショップ「伝統芸能体験から学ぶプロフェッショナルマインド」というプログラム。開会に際して、進行役を務めた坂井伸一郎さん(株式会社ホープス代表取締役)が、「今期のプログラムは“前人未到”がキーワードになっている」と述べ、「講師として来ていただいているのは、各分野で前人未到に挑んでいる専門家の方々。分野は異なっても、未到の部分に向かう取り組みや考え方には、アスリートとして前人未到を目指す皆さんに通じるものがあるはず。そうした点を意識しながら聞いてほしい」と呼びかけ、講義がスタートしました。

◎講義:心的時間の特性



 実験心理学が専門で、実験的手法を用いて人間が体験する時間や空間の特性を研究している一川さんは、時計によって認知した場合は誰にも等しい「時間」が、人間が体験のなかで感じる「時間(心的時間)」は一定でなく、心理や身体の状態、置かれた環境など、さまざまな要因によって変動することを、これまでに行ってきたさまざまな実験を紹介しつつ、そこから得た知見をもとに、解説を進めていきました。
 心的時間を変動する因子として、刺激の強さ(強い刺激ほど速く見える、明るい刺激ほど見えるまでの時間が短く感じるなど)、注意(時間経過に向けられる回数が多いほど時間が長く感じられる)、知覚様相(例えば視覚で得たか聴覚で得たかで感じる時間の長さが異なる)、身体の代謝(代謝が激しくなると感じられる時間の長さが伸びる)、加齢の影響(高齢になるほど時間が早く過ぎるように感じる)などを紹介。このほか、スポーツで「ゾーン」に入った状態(例:打撃場面で、ボールが止まって見えるなど)の例なども踏まえつつ、どういう状態のときに時間的精度が高まるのかを探るべく実施されてきた、さまざまな実験についても触れられました。
 まとめとして、心的時間には時間の錯覚があり、知識や経験では修正されず、見誤りも避けられないとしながらも、しかし、こうした特性を知っているということ自体が、実はとても意味がある、と一川さん。その特性を利用することで、「より有効な時間の使い方が可能になる」と示唆しました。
 講義が終わったあとには、振り返りの時間が設けられました。まず、坂井さんが、「一般的に、“時間は変えられない”という先入観があるが、一川さんは、物理的な時間と心理的な時間に分けて考えることで、心理的な時間に関してはコントロールできるのではないかとチャレンジした。今回の話から、変えられないと思っているものを変えようとするとき、“1つに見えているものを分解して考えてみるというやり方がある”ということを読み取ることができるように思った。また、話を聞いたなかで、一川さんが前人未到のことをやっていくために、ここまで突き詰めていくかというような試行錯誤や工夫をして、研究を進めてきたことがよくわかったと思う。一川さんの場合はアカデミックな世界が舞台だが、皆さんもアスリートとして世界で一番の結果を出そうとか、世代のナンバーワンのタイムを出そうとするためには、それと同じくらいに、突き詰めていくこと、考えて工夫すること、やれることをすべてやっていくこと、なぜこれをやっているのか説明できること、が必要になる。そういった点で共感できたり学んだりできたところがあったのではないか。そうした点を意識しながら、今日の講義を振り返り、感じたことをまとめてほしい」と、考えを深めるうえでのヒントを提示。3つのグループに分かれたダイヤモンドアスリートたちは、各グループに加わった修了生やアスリート委員のフォローを得ながら、講義を振り返り、感じたことや学んだことをまとめ、意見交換を行いました。


取材・構成:児玉育美/JAAFメディアチーム

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