2018.04.25(水)大会

【大会レポート&コメント】男子十種競技は右代啓祐選手が2連覇!女子七種競技は宇都宮絵莉選手が日本歴代3位で七種競技初タイトル!/TOKYO Combined Events Meet 2018

「TOKYO Combined Events Meet 2018」が4月21~22日、ジャカルタ・アジア大会の代表選考競技会を兼ねて、東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場において開催されました。

本年度から再編された日本グランプリシリーズで、グランプリプレミア東京大会に指定されているこの大会。グランプリ種目として男女混成競技(男子十種競技、女子七種競技)、男女砲丸投の4種目が実施されたほか、7月にタンペレ(フィンランド)で開催されるU20世界選手権の選考種目として男子110mH(ハードルの高さ0.991m)、男子砲丸投(6.000kg)、男子円盤投(1.750kg)、女子3000mが行われました。


■男子十種競技は右代選手が2連覇




男子十種競技は、日本記録保持者(8308点、2014年)の右代啓祐選手(国士舘クラブ)が優勝しました。

初日、日本歴代2位(8180点、2016年)の自己記録を持つ中村明彦選手(スズキ浜松AC、4099点)と169点差の2位(3930点)で折り返した右代選手は、第7種目の円盤投で47m63を投げてトップに。

4m60にとどまった棒高跳を終えた段階で再び中村選手に21点のリードを奪われましたが、やり投で69m69のビッグスローを見せて再逆転。ここで298点の差をつけて中村選手を突き放しました。



最終種目の1500mは、この種目を得意とする中村選手が4分20秒75で先着。右代選手は4分44秒53でのフィニッシとなりましたが、さすがにこの点差を逆転するには至らず、7937点を獲得した右代選手が2連覇を達成。中村選手は7793点で2位という結果となりました。

今春から母校・国士舘大学の講師に就任。これに伴い、スズキ浜松ACから国士舘クラブに所属を移して競技を続けることとなった右代選手ですが、1年半ほど苦しんできた膝の痛みがなくなり、2月からしっかりトレーニングを積むことができたなかでシーズンインを迎えていました。競技終了後は、「こんなに痛みなく、十種ができたのは久しぶり」と満面の笑顔。

「課題となる種目があまり見つからなかった。この試合を通じて、すべてにおいてレベルアップできているなという実感があった」と振り返り、「これから日本選手権まで時間があるので、ケガをせずに、同じようにトレーニングを継続していきたい」と、先を見据えました。

一方、中村選手は、「種目ごとの明暗がくっきり分かれた試合になった」と振り返りましたが、「スプリントとやり投がきちんと戻ってくれば、自己記録にチャレンジできる内容だった」と、感触自体は悪くはなかった様子。

前回のアジア大会で金メダルを獲得し、日本選手権も現在2連覇中ですが、「右代さんがケガも治して万全の状態になりつつあることで、今度の日本選手権はガチンコ勝負になるのかなと思う。“日本選手権で自己ベストを更新して、アジア大会で金メダル”というのが今年の目標。しっかり調整してチャレンジしていきたい」と、やはりその視線は6月の日本選手権に向けられていました。


■宇都宮選手、日本歴代3位で七種競技初タイトル

女子七種競技では、宇都宮絵莉選手(長谷川体育施設)が日本歴代3位の5821点をマーク。2016年にこの大会(当時は、日本選抜陸上として和歌山で実施)で出した自己記録5668点を大幅に更新して優勝を果たしました。

2.4mの向かい風のなか13秒92をマークした100mHのほか、砲丸投(11m15)、200m(24秒79、-0.4)と、初日に3種目で自己ベスト。さらに最終種目の800mでは七種競技での日本最高となる2分09秒80でフィニッシュし、会場を大いに沸かせました。



宇都宮選手は、兵庫県の出身で、中学時代から走幅跳で活躍してきました。平岡南中3年の2008年と園田学園高3年の2011年に、走幅跳で全日中とインターハイで優勝を果たしています。七種競技は園田学園大学2年から取り組み始め、前述の通り社会人1年目の2016年に日本歴代4位の5668点まで記録を伸ばしてきていました。400mHにも取り組んでいて、昨年は57秒22(2017年)の自己ベストをマークしています。

七種競技でのタイトル獲得は今回が初めて。「今年中に出したい」と目標に掲げていた5800点を初戦であっさりクリアしました。この躍進ぶりの要因を問われ、「苦手としていた種目で確実に点が取れるようになったこと、大きな取りこぼしがなくなったこと、あとは精神的にもひと回り成長できているのかなと思う」と自身を評価した宇都宮選手ですが、記録については、「5800点台が出せたのは、800mがよかったから。800mをもっと余裕をもって走れるように、そこまでの内容をちょっとずつ高めたい。まだまだやることは多い」とコメント。

「毎年、この大会がよくて、そこからイマイチな結果に終わってしまう。“今回はたまたまよかった”と考えて気持ちを切り替え、いつも通りにしっかり練習を積んでいきたい。今年は、もちろんアジア大会出場を目標にしているが、来週には400mHでグランプリ(5月3日、静岡国際)に出場するし、その後は日本選手権も続いてくる。その都度ベストが出せるようにやっていきたい」と、頼もしい言葉を聞かせてくれました。

なお、この大会には、昨年の8月に左膝を傷め、手術をしたために競技会から遠ざかっていた学生記録保持者(5907点=日本歴代2位)のヘンプヒル恵選手(中央大)が復帰戦として臨み、5441点・3位で競技を終えました。

まだ力を抑えている様子が随所で見られましたが、「思ったより悪くない」と笑顔。アジア大会出場と日本人初の6000点突破を狙い、日本選手権での完全復活を目指します。




■男女砲丸投は中村選手と郡選手がV。U20男子円盤投でも好記録

男子砲丸投は、昨年、日本歴代3位となる18m55をマークして日本リスト1位となった中村太地選手(チームミズノ)が、1回目に18m15をマークしてトップに立つと、2回目を除くすべての試技で18m台に乗せる安定ぶりで他選手を圧倒。優勝決定後に臨んだ最終投てきで18m22に記録を伸ばして優勝を果たしました。



女子砲丸投は、昨年の日本選手権覇者で、砲丸投・円盤投の2種目で進境著しい郡菜々佳選手(九州共立大)が16m08で快勝。2位には、昨年のU20日本選手権チャンピオンの尾山和華選手(福岡大)が続き、最終投てきでU20日本歴代3位となる15m57の好記録をマークしています。



U20男子円盤投では、昨年のU18日本選手権砲丸投・円盤投2冠の山下航生選手(市岐阜商高・岐阜)が1回目でトップに立つと、2・5回目に54m75を投げて優勝を決め、最終投てきでは高校歴代3位(U20歴代4位)の55m78まで記録を伸ばしました。高校1年の冬から「高校での目標を60mにしてきた」と言う山下選手。達成に向けて、「現実味が出てきた」と手ごたえをつかんだ様子でした。

2位となったのは阿部敏明選手(日本大)。新潟・長岡商高所属で出場した最後の競技会となった3月31日の北和記録会(奈良)で、高校歴代2位の56m27(U20歴代3位)をマークしていますが、今回は53m35にとどまりました。

U20男子110mHは、昨年のインターハイ八種競技を2017年高校リスト1位の5916点で制したほか、三段跳でも高校リスト1位(15m69)を占めた泉谷駿介選手(順天堂大)がU20歴代5位の13秒49(+1.0)をマーク。男子砲丸投では稻福颯選手(市岐阜商高・岐阜)が17m15で、女子3000mは田中希実選手(ND 28AC)が9分22秒40で、それぞれ制しました。



文:児玉育美/JAAFメディアチーム
写真提供:フォート・キシモト

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