2018.06.18(月)大会

【第102回日本陸上競技選手権大会混成競技】大会1日目!男子十種競技で活躍が目立ったのは若手の学生選手たち!

第102回日本選手権混成競技は6月16日、8月にジャカルタで開催されるアジア大会の代表選考会を兼ねて、長野市営陸上競技場において1日目の競技が行われました。


■男子十種競技は、奥田・丸山選手が1・2位で折り返す。中村・右代選手は3・4位

 前日の雨はやんだものの雲が多く、最高気温が19℃と、肌寒さが感じられる天候のなか行われた大会1日目に、男子十種競技で活躍が目立ったのは若手の学生選手たち。最初の100mから第5種目の400mまで、1種目ごとに首位が入れ替わる展開となりました。

最初の100mは、5月末の関東インカレを制した奥田啓祐選手(東海大)が10秒56(+1.4)でトップに。続いて行われた走幅跳では、昨年この大会のU20十種競技で7790点のU20日本新記録を樹立した丸山優真選手(日本大)が7m59(+2.9)の跳躍を見せ、走幅跳7m34(+0.6)の奥田選手を逆転します。続く砲丸投では奥田選手が13m59を投げて、12m80にとどまった丸山選手を逆転。走高跳では丸山選手が1m99をクリアし、1m93の奥田選手を再逆転。そうして迎えた初日の最終種目となる400mは、奥田選手が種目別トップの48秒74で走り、50秒27でフィニッシュした丸山選手を再びかわし、4174点を獲得した奥田選手が初日トップ、4114点の丸山選手が2位で続く結果となりました。

「関東インカレ後はケアが中心。技術練習や400m、1500mの練習がやれていなかったが、関東インカレのときのイメージが、いい感じで残っていた」と振り返った奥田選手は、「ベストな状態では全然ないが、そのなかで初日をトップで折り返せた」点に成長を感じていると言いつつ、「明日はネックとなる種目が多い。1つ1つ丁寧に向かいたい」と話しました。

 一方、「記録や順位にこだわらず、1種目1種目にしっかり取り組んでいくこと」を今大会の目標に掲げていたという丸山選手は、「右代選手と中村選手は日本歴代1位・2位の選手。自分にとって将来的にライバルとなるので、戦いを大事にしたいとは思っていたが、自分はまだ(シニアの十種競技は)ほぼ初心者。順位自体は気にしていなかった」とコメント。「コンディションは悪くないが、明日の一番の課題は棒高跳。2試合連続(2017年日本インカレ、2018年関東インカレ)で記録なしをやっているので、そこを注意して、まずは十種を完璧にやりたい」と2日目に目を向けました。

 4009点でこの2人に続いたのは、2連覇中の中村明彦選手(スズキ浜松AC)です。100mを10秒79(+1.4)で滑り出した中村選手は、「走幅跳(7m30、+3.1)でちょっとミスしたのを砲丸投(12m80)で立て直したと思ったが、走高跳(1m90)で失敗してしまった」と振り返り、「苦しい戦いになっているなというのが今の一番の気持ち」とコメント。「今まで自分は“1500mまで10種目すべてやっての十種競技”と言ってきた。明日は、その言葉を自分に言い聞かせながら、1500mの最後の1mまであきらめずに挑みたい」と表情を引き締めていました。

 日本記録保持者の右代啓祐選手(国士舘クラブ)は、中村選手に75点差の4位。トップの奥田選手とは239点差となる3935点で前半を折り返しました。砲丸投では全体トップの記録をマークしたものの14m36、走幅跳が7m05(+3.1)、さらに走高跳が1m96にとどまり、思うように記録を伸ばすことができなかった右代選手。この結果を、「はまりそうではまらないという感じで、持ち味がなかなか出せなかった。“丁寧に行くより大胆に”という思いから、気持ちが入りすぎて力みがあったかも」と反省。「十種は2日目がポイントとなる。2日目で4000点を超えて、学生たちに格の違いを見せつけられるような戦いをしたい」と逆転優勝に向けて意欲を見せていました。

 4位の右代選手と5位の田上駿選手(順天堂大)との差は48点。以下、6位には森本公人選手(daisan)と二枚田一平選手(Team綺羅星)が3853点で並び、8位の潮崎傑選手(日本大)が3823点、さらに31点差で9位、39点差で10位、12点差で11位といったように、各順位が僅差で続く展開となりました。2日目に大きく順位が入れ替わる可能性もありそうです。

 なお、併催されているU20日本選手権男子十種競技では、市川翔太選手(福岡大)が3746点で首位に立ち、川上ヒデル選手(関西学院大)が30点差の3716点で追う展開となっています。 


■女子七種競技も接戦。初日トップは山﨑選手

 女子七種競技は、4連覇を目指すヘンプヒル恵選手(中央大)が最初の100mHを13秒68(+1.6)でスタート。走高跳で1m71を跳んだ伊藤明子選手(筑波大)に逆転されたものの11m22をマークした砲丸投で再度トップに立ちます。しかし、砲丸投で12m40をマークして、ここでヘンプヒル選手との差を16点に縮めて2位に浮上してきた山﨑有紀選手(スズキ浜松AC)が、初日最終種目の200mで24秒68(+2.2)をマークして逆転。3364点で首位に立ち、これを33点差の3333点でヘンプヒル選手が追う形で前半を終了しました。3位には桐山智衣選手(ヤマダ電機)が3307点で、4位には伊藤選手が3269点で続く展開となっています。

 山﨑選手は100mHで13秒84(+1.6)の自己新記録をマーク。「全体的に身体が動いていてよかったが、走高跳の失敗が痛かった」と1m70がベストのこの種目が1m62にとどまったことを悔しがりつつも、「初出場で入賞(2015年、7位)してから、少しずつ順位を上げているのでぜひ勝ちたい」と初優勝に向けて意欲を見せ、2日目について「走幅跳は10cmでも点差が開く種目なので、1本目からびびらずに跳んでいきたい。もちろん全種目でベストを目指していくが、特にやり投に手応えを感じているので、そこでベストが出せれば…」と展望しました。

「もうちょっと行けるかと思ったが、思ったより行けず、もどかしい」と初日の感想を漏らしたのは2位のヘンプヒル選手。昨年故障した膝の不安はなくなったものの、練習量などの問題から、「ちょっとしたことで記録が落ちてしまう」と振り返りました。2日目に向けては、「メンタルをしっかりつくってもっていきたい。記録ばかりに目を向けるのではなく、勝ってアジア(大会)に行くことを目指したい」とコメント。山﨑選手を追う展開になったことについて問われると、「人というよりも、自分との勝負だと思っている」と言い切りました。

 東京コンバインドを日本歴代3位の5821点で優勝している宇都宮絵莉選手(長谷川体育施設)は、100mHで自己ベストの13秒80(+1.6)をマークして好発進したものの、続く走高跳が1m59、さらに砲丸投が8m98にとどまる大誤算で、ここで13位まで後退。200mでこの種目2位となる24秒71(+2.2)をマークして総合得点を3108点とし、5位まで盛り返したものの、首位の山﨑選手とは256点差という苦しいスタートになってしまいました。2日目は、インターハイ優勝も果たしている走幅跳(6m14、2011年)、44m52の自己記録(2016年)を持つやり投のほか、4月の東京コンバインドで七種競技における日本最高記録となる2分09秒80をマークした800mで、巻き返しに挑みます。

また、U20日本選手権女子七種競技は、第2種目の走高跳以降を、東京女子体育大の堀内美沙樹選手と中村雪乃選手とが首位を奪い合う展開となりました。200mを終えた時点で、2882点で堀内選手がトップ、中村選手が4点差の2878点で追っています。

 
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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