2024.03.28(木)大会

【パリオリンピック】マラソン日本代表選手記者会見 レポート&コメント:誇りを胸に42.195kmの闘いに挑む!



今年8月に開催されるパリ2024オリンピックマラソンの男女日本代表は、昨年10月に実施されたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)および、その後、続いたMGCファイナルチャレンジを経て、全6選手が代表に内定しています。日本陸連は3月25日、東京都内において、日本代表内定選手を招いての記者会見を行いました。

会見は、この日に行った「ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズ」の「シリーズⅢアワード」に続く形で開催されました。まず、日本陸連の高岡寿成シニアディレクターが登壇して、代表に内定した選手6名と、補欠登録選手2名を改めて発表したうえで、強化説明を行いました。

>>パリ2024オリンピック マラソン日本代表内定選手


【強化説明】

高岡寿成(日本陸連強化委員会シニアディレクター)



・代表内定選手の顔ぶれについて
前回の東京大会で入賞した大迫選手(男子6位)と一山選手(女子8位)に東京大会を経験した前田選手の3名と、若い初出場の選手たち(3名)という、本当にバランスのとれたメンバーが代表になった。また、MGCチャレンジからMGCを経て、MGCファイナルチャレンジと、長い道のりを勝ち抜いてきた選手たち。オリンピックで活躍する姿を大いに期待したい。

・オリンピック本番に向けて
東京大会に出走した選手は、(オリンピックという)大会の難しさや厳しさを十分にわかっていると思うので、そのなかで対応してもらえたらと思うし、初出場の選手たちはMGCを勝ち抜いたことを力に、自信を持ってレースに臨んで挑んでほしい。
メダルや入賞を目標に掲げての挑戦は、タフなコースに暑い条件と簡単ではないが、そのなかで最後まで諦めない走りをすれば、必ずチャンスは巡ってくると感じている。
オリンピックに限らず、世界大会で活躍できる選手は、自己記録を更新できる練習ができていることが多い。夏のマラソンとなるが、各選手は自己記録を更新するような準備をできることが、スタートラインに立つときに大切になってくる。

・コース視察について
コース視察については、MGCで内定した選手とその専任コーチは、一山選手を除いて11月に視察を終えている。ファイナルチャレンジで内定した選手と補欠登録選手は、4月中旬に視察の計画を立てているが、前田選手、大迫選手、川内選手は、都合により別のタイミングでコース視察を行う予定である。

・大会本番までの強化
ナショナルチームとしての活動は行わず、練習は専任コーチのもと、所属チームで強化をしていく。東京(オリンピック)後の2回の世界選手権も同様に、各チームで強化を行ってきた。(今回も同様に進めることで)そのなかで成果を出していきたいと考えている。
また、事前合宿についても(参加の意向は)各チームの方針に合わせていく。事前合宿地としては、高地でなく、トラック&フィールド種目の代表選手と一緒にパリ郊外での実施を検討しており、そのなかで調整を進めていきたいと考えている。

・具体的な戦略
具体的な戦略について、チームジャパンとして指示することはしない。各選手の持ち味を生かすレースができるよう、専任コーチと連携をとって進めていきたい。また、科学サポートについては、すでに日本陸連科学委員会と力を合わせて、現在も進めている。暑い(気象条件下での)マラソン、タフなコースといったなかで、科学の力を借りて、目標を達成できればと思っている。

続いて行われた日本代表内定選手の会見には、大迫選手を除く5選手が出席。女子3選手、男子2選手に分けて実施されました。登壇した各選手は、まず、それぞれが代表に内定した現在の心境とオリンピック本番に向けての意気込みを述べたあと、メディアからの質問に応えました。
各選手のコメント要旨は、以下の通りです。


【パリオリンピック代表内定選手コメント(要旨)】

<女子>

鈴木優花(第一生命グループ)



オリンピックの代表は初めてになるが、今の気持ちとしては、徐々に実感が湧いてきているところである。実際に、パリの(コース)試走も11月末に行ってきたが、そのときのパリの街並みを想像すると、今、一番感じるのはワクワク感である。ただ、日本代表として挑むのなら、やはり「ここ一番」というところでしっかり勝負したいし、(一方で)パリという素敵な街で走れることもなかなかないと思うので、改めて、楽しむ気持ちと、「なんとしてでも自分に勝って、その先に行くんだ」という強い気持ち(の両方)で、全力で挑みたい。

<パリのコースに感じることと対策についての質問に>
非常にタフなコースで、中間(地点)の激しいアップダウンにいかに対応するかというところが問われると思っている。そこに対応するために、2月からの合宿では、アップダウン(のあるところ)を長めに使った練習コースをつくって、実際にそれで35km走、40km走を行ってきている。ただ、SNSなどで、ケニア人選手などが足場の悪いアップダウンの激しいところを(日常的に)走っている様子を見ているので、「(アップダウンを)練習しなきゃ」という意識ではなく、「(アップダウンを)当たり前に走る」くらいの気持ちでなければいけないなと思っている。そういう気持ちの面での意識も、これから変えていけたらなと思っている。

<前田選手の日本記録更新をどう感じたか、の質問に>
レースは、ライブで直接その瞬間を見た。まず一番に頭の中にあったのは、「衝撃的」ということ。前田さんが、ここまでケガを繰り返しながら、苦しい思いをされながら、でも最後まで諦めずに挑戦してきたという経緯もテレビなどで拝見していたので、それも含めて「本当にすごいな」という印象を受けた。また、山下(佐知子)監督から「誰かが日本記録を1人でも破ると、(みんなが、その記録を上回っていく)流れが来るんだよ」と聞き、「自分も挑戦したい」と心から思った。まずは、パリオリンピックに向けて全力でトレーニングしていくが、その先のマラソンで、絶対に日本新を出したいなと思っている。


一山麻緒(資生堂)



私が実業団に入ってからのまず一番の目標は、「東京オリンピックのマラソンに出たい」というところからスタートした。その自分が2大会連続でオリンピック選手になれるという想像はできていなかったので、本当にパリ(オリンピック代表)の切符を取れたときは、びっくりした気持ちと嬉しい気持ちの2つがあった。

<前田選手の日本記録更新をどう感じたか、の質問に>
パリのコースはまだ試走できていないが、すごく起伏の激しいコースだと聞いている。実際にパリのコースを走ったときに、「今までの練習でやってきたことのほうがきつかった」と思えるように、しっかり走り込みをして、自信を持ってスタートラインに立ちたいと思っている。

<前田選手が樹立した日本記録についての質問に>
私も、穂南さんが(日本新記録を出したときは)走っているレースは、目を離さずにずっと見ていて、最後のゴールの瞬間は本当に感動したし、「本当にすごいな」と心から思った。そのときは正直、「次は、私も」という気持ちにはなれなかったが、でも、「私も、その瞬間を経験してみたいな」と思った。


前田穂南(天満屋)



2大会連続でオリンピックに出場して、日本代表でまた走れるということを、すごく誇りに思っている。自分の走りが、パリでしっかりできるように、準備していきたい。

<パリのコースに感じることと対策についての質問に>
私もまだ試走はしていないが、すごくタフなコースだと聞いている。しっかり脚づくりをして、しっかり準備をして、走り込んでいきたいと思っている。

<日本記録を出した経験をパリオリンピックにどうつなげたいか、との質問に>
記録という面で、なかなか結果が出ないことが多かったけれど、今回、日本記録を更新できたことで、すごく自信になった。パリではしっかり勝負していきたいという思いがある。


<男子>

小山直城(Honda)



(代表に内定して)とても嬉しく思っている。オリンピックは、自分にとっては、長らく目標にしてきた夢の舞台だし、そして、(今、着用している)この代表のユニフォームを着ることができて、とても嬉しく思っている。
オリンピックでは、8位入賞、一つでも良い順位を目標として、準備・対策をしっかりして、良い状態でスタートラインに立てるよう頑張っていきたい。

<パリのコースを視察しての印象を具体的に、との質問に> 
自分はヨーロッパに1回も行ったことがなく、11月の試走で初めてフランスに行った。フライトにかかる15時間という移動時間と時差の7時間、まずここが大変かなと感じた。そして、パリ(オリンピック)のコースは、高低差が150mと、国内のレースではなかなかない(高低差の)コースで、国内のどこ(のコース)に似ているか、たとえが思いつかないくらいアップダウンの厳しいコースだった。路面に関しては、石畳はあったものの前半の最初と最後のところの少しだったので、そこはあまり気にならなかった。

<パリでベストを出すために必要なことは何か、との質問に>
まず、ケガや体調不良なく、継続して練習を行うことが一番大切だと思っている。私にとって、オリンピックは初めての世界大会。メンタル面についても強化していきたい。

<内定してからの約半年で感じたこと、残り期間をどう過ごしたいか、との問いに>
試合に出るたびに注目されるという面で、なかなか難しい点があったけれど、それも一つのオリンピックに向けての経験。それが経験できたことはとてもよかったと思っている。残りの期間については、私は今のところ、初めての海外高地合宿を行う予定でいる。ここで心肺機能を鍛えていければいいなと考えている。

< 瀬古リーダーからの「試走してみて、パリのコースは自分にプラスかマイナスか?」の質問に>
プラスだと思う。理由としては、力勝負では、海外選手にスピードで負けてしまうかもしれないが、アップダウン、そして暑さがあれば、日本人にも十分に可能性があるかなと思っている。


赤﨑 暁(九電工)



(代表に内定して以降)ここ最近は、代表としての自覚も少しついてきた。オリンピックに向けて、1日1日を大事にして、「今、自分がすべきことをしっかりとやっていこうと」「自分の目標に向かってしっかりと頑張っていこう」という気持ちでいる。

<パリのコースを視察しての印象を具体的に、との質問に> 
自分が一番強く残った印象は、途中に約10km近くアップダウンするコースであったこと。その対策をしっかりやっていかないと、最後まで先頭争いはできないのかなと感じた。2月に走った青梅(マラソン)の30kmが、前半は上り、後半は下りと、少しパリのコースに似ていて、そこで自分の現状の力を知ることができている。(青梅マラソンで感じた)「足りない部分」を、そこからさらに残り少ない時間でしっかりと克服し、戦える状態にもっていけたらと思っている。

<パリでベストを出すために必要なことは何か、との質問に>>
小山さんも言った通り、まずは、レース本番までケガせずに、しっかりと練習を積むこと(が大切)。また、先ほども話したように、坂対策をしっかりと本番までにやっていこうと考えている。

<内定してからの約半年で感じたこと、残り期間をどう過ごしたいか、との問いに>
MGCが終わったあと、個人のレースはうまくいっていたのだが、皆さんもご存じの通り、ニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)と都道府県駅伝(全国都道府県男子駅伝)では、代表としては少し不甲斐ない結果となってしまった。知らず知らずのうちにプレッシャーに負けたというところがあったので、そこはしっかり改善していかなければという思いがあったし、(日本)代表ではあるけれど、まずは「自分が満足できる結果を出せるように」という気持ちのもっていき方ができたなかで、2月の青梅マラソンでは、いいレースができた(1時間29分49秒で優勝)のかなと思っている。走りだけでなく、メンタル面は、これからも鍛えていく必要性があると考えている。

<瀬古リーダーからの「試走してみて、パリのコースは自分にプラスかマイナスか?」の質問に>
自分もプラスだと思っている。(綾部健二)総監督から、思ったほど坂に対しても苦手分野ではないと言われていて、総監督がそう言うのであれば自分は坂に強いのだと思うので、しっかり戦えるのではないかと思っている。


※代表内定選手のコメントは、記者会見において各選手が発言したコメントと質疑応答時の回答の一部を抜粋し、まとめています。

取材・構成:児玉育美(日本陸連メディアチーム)
写真:フォート・キシモト



【ARCHIVE】パリ2024オリンピックマラソン日本代表選手記者会見



▼【パリ2024オリンピック】マラソン日本代表内定選手が決定!
https://www.jaaf.or.jp/jmc-series/news/article/19610/
▼パリ2024オリンピック競技大会 マラソン日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202303/29_140927.pdf
▼陸上日本代表 特設サイト
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▼【JMCシリーズアワード】レポート&コメント:小山&前田がシリーズチャンピオンに!
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